おばあちゃん その2


おばあちゃんが亡くなりました。
まだ信じられないけれど、もういません。

おばあちゃんがいなくなると、生きていた頃の何気ないしぐさや
ささいな瞬間が頭の中で繰り返されます。

大学の時には、よく帰りが遅くなって泊めてもらっていた。
わたしは次の日も一限からだったので、早起きしなければならず
大学生の割に忙しい毎日だった。
わたしは、おじいちゃんの仏壇の部屋に布団を敷いてもらい、
引き戸を隔てたもう一つの部屋でおばあちゃんが休んでいた。

今もすごく覚えてるのが、朝起きた時の引き戸から洩れる明るい光の感じ。あのやわかい、安心するような光。覚えてる。
家ではない、ちょっと特別な、おばあちゃんちの記憶。

隣りではおばあちゃんが既に起きていて、わたしがすぐにでも朝ご飯を食べられる様に準備してくれていた。


いつだってわたしをほめてくれ、応援してくれた。

そんなおばあちゃんに出会えてわたしは嬉しく思う。


おばあちゃんが亡くなる4カ月前にハガキをくれた。
手に力もないだろうに、ボールペンで子供みたいなよれよれの字だったけれど、文末には

「がんばれ友ちゃん!何時迄も元気でね」

と書いてあった。

今も涙が出ちゃうけれど、わたしはこの言葉を思い出して
くじけそうなときを乗り切るんだと強く思いました。


お店をやっていて、正直くじけそうな時がある。
楽しくて笑っていたいけれどなかなかうまくいかないものだ。
でも、家の冷蔵庫に貼ってあるこのハガキを見て、
ちょっとだけ心が元気になります。
明日もがんばるね。ありがとうおばあちゃん。